作成者:局長 ONさん
Ciao! 局長のONさんです。
突然ですが、大阪はうどん、名古屋はきしめん、中国はらーめん。
では、イタリアは?と聞かれると皆さんは何を思い浮かべますか?
・・・・スパゲッティ!
と答える人が多いと思いますが、
イタリア人からは「いやいや、ラヴィオリもタリアテッレも、カーザレッティもファルファッレもマカロニもあるぞ!」と、
言われるでしょう。
イタリアのパスタの種類は本当に多いのです。
しかもこのパスタという言葉、麺類のみならずケーキやクッキーなんかもそう呼ぶので、「パスタ食おうぜ!」と言われて、
「まだスパゲッティ食べるのかよ」と思ったらデザートが出てきた思い出があります。(笑)
話がそれましたが、本日は麺類のパスタ(乾燥)の話です、お付き合いください。
最も消費が大きく、そして著名なイタリアのパスタはスパゲッティであることは言うまでもありませんが、
パスタの原型は紀元前から存在したものの、スパゲッティがこの世に現れたのはまだ3~400年ほど前のことです。
現在、スパゲッティの長さは約25~6センチ、物干しざおにかける洗濯物のように二つ折りにして乾燥させてから半分に切るので、
スパゲッティの元の長さは倍の50~52センチとなりますが、竿にかけて曲がった部分は使われませんので、もう少し長いと思われます。
パスタは小麦粉を水で練って成型して乾燥させるだけですが、それぞれの工程でこだわりが見られます。
原料はデュラム小麦。
グルテンというたんぱく質の多い硬質小麦の一種で、主にパンに使われますがこれを選別後、製粉してセモリーナと呼ばれる
やや粗挽きの粉にします。これを水と合わせてよく練った後、パスタの形を決めるダイスに通すわけですが、
このダイスの種類がパスタの味わいに大きく関係しています。
◆ブロンズダイス~銅製のダイスで表面がざらついており、このダイスを通すとパスタの表面に傷がつくため、
乾燥後、表面が粉をふいたように仕上がります。生産効率は悪いですが、ソースとの絡みは良くなります。
De Ceccoを筆頭に、ほとんどのプレミアムブランドにはこのダイスが使われます。
◆テフロンダイス~焦げ付かない鍋につかわれる素材であるテフロンのダイスに通すと、表面はつるつるに仕上がります。
ダイスによる抵抗が少ないので、生産効率が良いです。ソースの絡みは少ないのですが、食感がつるつるっとなり、
こちらを好まれる方も多いです。代表的なブランドは、Barilla。
(左)がブロンズダイス使用のパスタ・・・ザラザラの表面
(右)がテフロンダイス使用のパスタ・・・ツルツルの表面
ブロンズダイスの方が原価はアップしますので高級になりますが、表面がざらついているか否かはお好みです。
ダイスによって形が決まったパスタは、次に乾燥工程に進みます。ここでの違いは、
◆低温長時間乾燥~50℃前後の温度で時間をかけて乾燥させることにより、味わい深いパスタになりますが、コシの持ちは悪く、
すぐに伸びてしまいます。また生産効率も悪いですが、味わいの点からプレミアムブランドはこの乾燥方法を採用します。
◆高温短時間乾燥~逆に生産効率を求めて高温で乾燥させると、小麦の味わいは損なわれてしまうものの、
コシの持ちが良いパスタになります。「アルデンテ」という食感を求めるイタリア人と日本人にとってこの点は非常に重要で、
このコシが持続する長所を活かして、飲食店の多くは二度茹でします。
まずは推奨茹で時間の半分の時間だけ茹でて冷蔵保存、ソースをかける時に約1分温めて提供というワザを使います。
味わいが少なく、コシは持続することで、多くの人は“ゴムパスタ”、と揶揄します。Barillaが著名です。
いかがでしたでしょうか?
次回はソースの話にしましょう。
最後に、パスタもリゾットもイタリアではフォークのみで食べます。
パスタを注文した英国人ツーリストにはフォークとナイフ、日本人ツーリストにはフォークとスプーンが出されるようになったという話を
15年ほど前から聞きますが、観光地ではどうやらホントの話のようです。
では、次回をお楽しみに。
Arrivederci!!